都市計画法43条申請の要件をわかりやすく解説
東広島市の市街化調整区域で住宅を建てようとすると、不動産会社や建築会社から「都市計画法43条の申請が必要です」と言われることがあります。
市街化調整区域は、原則として建物の建築を抑制する区域です。そのため、土地を持っているからといって、自由に住宅を建てられるわけではありません。
ただし、一定の条件を満たす場合には、都市計画法43条の建築許可により、建築が認められるケースがあります。東広島市では、代表的なものとして「分家住宅」と「線引き前宅地」があります。
都市計画法43条申請とは
都市計画法43条申請とは、市街化調整区域内で、開発許可を受けた区域以外の土地に建物を建てる場合に必要となる建築許可のことです。
簡単にいうと、「大きな造成工事をして新しく宅地を作る」のではなく、すでに宅地性のある土地などに建物を建てる場合に検討される許可です。
東広島市では、市街化調整区域内の開発許可等について、都市計画法34条の立地条件や開発審査会提案基準を定めています。特に50戸連たんについては、市街化区域に近接し、50戸以上の建築物が連たんする条例指定区域などが関係します。(city.higashihiroshima.lg.jp)
代表的な2つのパターン
東広島市で都市計画法43条申請を検討する場合、よく問題になるのが次の2つです。
1つ目は「分家住宅」です。これは、もともと市街化調整区域内に生活の本拠を持つ本家世帯から、子どもなどが独立して住宅を建てるようなケースです。
東広島市の開発審査会提案基準では、大規模既存集落における建築物として、自己用住宅、分家住宅、小規模な工場等、公営住宅が挙げられています。分家住宅については、申請地が申請者の勤務地と合理的な位置関係にあること、本家の世帯構成員であること、過去に同様の申請で住宅を建築していないこと、新規住宅確保の合理的理由があることなどが条件とされています。(city.higashihiroshima.lg.jp)
2つ目は「線引き前宅地」です。これは、市街化調整区域に指定される前から、すでに宅地として認められていた土地に建物を建てるケースです。
東広島市の提案基準第18号では、「市街化調整区域とされた時点で既に宅地であった土地」に係る開発又は建築について、一定の要件に該当すれば容認するものとされています。具体的には、線引き時点ですでに土地登記簿の地目が宅地であり、現在まで地目変更されていない土地、または線引き前から建物登記があり、その建築物が現在も存する土地などが対象になります。(city.higashihiroshima.lg.jp)
八本松原では昭和51年1月20日が重要
八本松原周辺で線引き前宅地を判断する場合、重要になるのが「いつ市街化調整区域に線引きされたか」です。
東広島都市計画区域は、昭和51年、つまり1976年1月20日に当初決定されています。東広島市の都市計画概要でも、昭和51年1月20日の記載が確認できます。(city.higashihiroshima.lg.jp)
そのため、八本松原で「線引き前宅地」として扱えるかどうかは、原則として昭和51年1月20日以前に、その土地が宅地として認められていたかが大きな判断材料になります。
ここで重要なのは、線引き前宅地は「誰が建てるか」よりも、「その土地が線引き前から宅地だったか」が中心になる点です。つまり、分家住宅のように本家・分家といった属人的な要件が中心になる制度とは性格が異なります。
切土・盛土がないことが重要
都市計画法43条申請では、「建築許可」と「開発許可」の区別が非常に重要です。
43条申請は、基本的には開発行為を伴わない建築行為に対する許可です。開発行為とは、建物を建てる目的で土地の区画や形質を変更する行為を指します。一般的には、切土や盛土などにより土地の形を変える場合、開発行為に該当する可能性があります。(pref.aichi.jp)
そのため、線引き前宅地として43条申請を考える場合でも、土地を大きく切ったり盛ったりする計画になると、「これは43条ではなく開発許可の話ではないか」と判断される可能性があります。
実務上は、現況地盤を大きく変えないこと、つまり切土・盛土を伴わない計画であることがかなり重要です。ここは建築設計の段階で、配置計画・基礎計画・排水計画とあわせて慎重に確認する必要があります。
50戸連たんが取れること
線引き前宅地であっても、それだけで必ず建築できるわけではありません。
東広島市の提案基準第18号では、申請地が「おおむね50以上の建築物が連たんしている地域内」にあることが条件とされています。(city.higashihiroshima.lg.jp)
ここでいう「連たん」とは、建築物が一定の間隔で連続している状態をいいます。東広島市の50戸連たん制度では、従来「敷地相互の隣接間隔が50m以内に位置する建築物が50戸以上連たんする区域」という考え方が示されていました。現在は許可対象区域が地図上で明確化されていますが、50戸連たんの基本的な考え方として、敷地間の距離が重要になります。(city.higashihiroshima.lg.jp)
このとき、工場やマンションなどの大きな建物であっても、カウント上は原則として「1件」として扱われます。つまり、建物の規模が大きいから複数件として数えられるわけではありません。
また、距離を見るときは建物同士の距離ではなく、敷地相互の距離が問題になります。敷地と敷地の間隔が50m以内でつながっているかを確認していくイメージです。
線引き前宅地で確認する主な資料
線引き前宅地として申請を検討する場合、主に次のような資料確認が必要になります。
登記簿で、昭和51年1月20日以前から地目が宅地であったかを確認します。宅地への地目変更登記が線引き後であれば、原則として線引き前宅地とは扱われません。
建物登記がある場合は、建物の登記日付が線引き前であるか、またその建物が継続して現在も存在しているかを確認します。
あわせて、50戸連たんの確認、接道、排水、農地法、農振、ハザード区域、建ぺい率・容積率・高さ制限なども確認が必要です。東広島市の50戸連たん制度でも、指定区域内であっても道路幅員やハザード区域、農地法など他法令の制限がかかることが明記されています。(city.higashihiroshima.lg.jp)
まとめ
東広島市の市街化調整区域で都市計画法43条申請を検討する場合、代表的には「分家住宅」と「線引き前宅地」の2つが重要になります。
分家住宅は、本家との関係や申請者の居住・勤務地・住宅確保の必要性など、属人的な要件が大きく関係します。
一方、線引き前宅地は、昭和51年1月20日以前に宅地として認められていたかどうかが重要です。八本松原の場合も、この日付以前の宅地性を登記簿や建物登記などで確認することになります。
ただし、線引き前宅地であっても、切土・盛土を伴う場合は開発行為に該当する可能性があるため注意が必要です。また、おおむね50以上の建築物が連たんしていること、敷地相互の距離が50m以内でつながること、工場やマンションは1件として数えることなど、現地調査での確認も欠かせません。
市街化調整区域の建築可否は、土地ごとに判断が分かれます。購入前、設計前、相続後の活用を考える段階で、早めに東広島市の開発指導課や私たちのような専門家に相談することをおすすめします。
うまく建築できるといいですね!