こんにちは、トクハラです。
「アパートを建てるなら、知り合いの建築士に頼めば融通も利くし安心だろう」
もしそう考えているなら、少し待ってください。アパート経営は「住居」であると同時に「ビジネス」です。
今回は、実際にあった「知り合いに頼んだ結果、赤字垂れ流しの負債物件になってしまった」という、ある地主様の悲劇をご紹介します。
1. 駐車スペースがない!致命的な配置ミス
その物件は、2階建ての店舗付きアパートでした。
土地の形状は、真ん中が盛り上がった「かまぼこ型」のような特殊な地形。驚くべきことに、建物がその盛り上がった土地のど真ん中に建てられていたのです。
- 問題点: 建物の位置が悪く、店舗の前に車を停めるスペースが全くない。
- 結果: 3店舗あるうち、入居しているのはわずか1店舗のみ。
実はこの土地、後ろギリギリに建物を寄せれば、前面に十分な駐車スペースを確保できました。しかし、それには「宅地造成」の許可申請が必要になります。
2. 「建築士」と「土木設計」の大きな壁
なぜ、駐車スペースを確保する配置にしなかったのか?
それは、多くの建築士が「土木(造成)」の分野を苦手としているからです。
- 建築士: 建物を建てるプロ
- 土木設計: 土地を整える(切土・盛り土、擁壁など)プロ
宅地造成の申請は計算方法や鉄筋量の計算が建築とは異なり、建築の場合は純粋にコンクリート壁の強度を検討します。一般に建築のほうが鉄筋量が少なくてすみます。
土木設計は建築とは違い厳密解が少なく安全率を大きめに見るからです。
一般に構造計算アプリも建築の建物のコンクリート壁と宅造のコンクリート擁壁の構造計算では異なります。構造計算アプリは普通30万円以上します。
友人1棟のアパートの宅地造成のためにアプリを買って、宅造の勉強を新たにしているとコストが見合いません。
でも素人はそんなこと知らない。
建築士何だから建築できるだろうと考えます。
その建築士はその面倒な申請を避けるために、現状の地形のまま建てられる「ど真ん中」を選んでしまった可能性が高いのです。
3. 入居者目線が欠けた「女性が住めない」間取り
さらに、2階の賃貸ワンルーム(5部屋)も全室空室という惨状でした。
その理由は、間取りを見れば一目瞭然です。
- 致命的な欠陥: 共用廊下に洗濯物干し場がある。
- 心理的ハードル: 下着などが外から丸見えになるため、女性はまず借りません。
今の時代、ターゲットの半分である「女性」に敬遠される物件は、残り半分の男性からも選ばれにくくなります。結局、1階も2階も埋まらず、取り壊すにも多額の費用がかかる「負債」となってしまいました。
まとめ:アパート建築は「専門家」に依頼すべき
一般の戸建て住宅なら、知り合いの建築士でも素敵な家が建つでしょう。しかし、アパート経営は別物です。
- 収益を最大化する土地活用の知識
- 客付けができる市場ニーズの把握
- 複雑な造成申請への対応
これらを持ち合わせているのは、日々アパート建築に特化して取り組んでいる専門業者や、大手ハウスメーカーに所属するプロの建築士たちです。
「知り合いだから」という情で決めてしまうと、最終的に困るのは地主様ご自身です。アパート建築を検討する際は、必ず「賃貸経営のプロ」としての実績があるかどうかを見極めてください。