「けんばら」という言葉は、一般的に道路に関する法律用語で、「権原」を略してこう呼ばれることがあります。
権原とは?
権原とは、ある行為を行う正当な理由、つまりその行為を行う権利の根拠となるものを指します。道路に関して言えば、ある土地を道路として使う権利を持つ根拠となるものです。
けんばら道路の必要性
道路を整備したり、維持管理するためには、その土地を使用する権利が必要です。この権利を明確にするために、「けんばら」が重要になってきます。
なぜ「けんばら」が必要なのでしょうか?
- 土地の所有者とのトラブル防止: 道路として使っている土地の所有者が変わったり、その土地に対する権利主張があった場合、「けんばら」が明確であれば、トラブルを未然に防ぐことができます。
- 道路の安定的な維持管理: 「けんばら」が明確であれば、道路の維持管理に必要な手続きをスムーズに行うことができます。
- 公共の利益の確保: 道路は、人々の生活や経済活動に不可欠なインフラです。「けんばら」を確立することで、公共の利益をしっかりと確保することができます。
けんばらの種類
道路の「けんばら」には、大きく分けて以下の種類があります。
- 所有権: 道路の土地を所有している場合
- 地上権: 土地の所有者から、その土地の上空または地下の一定の範囲を使用する権利を得ている場合
- 使用貸借: 土地の所有者から、無償で土地を使用する許可を得ている場合
- 賃貸借: 土地の所有者から、対価を支払って土地を使用する許可を得ている場合
- 通行地役権:通行地役権(つうこうちえきけん)とは、他人の土地を通行するために利用できる権利のことです。もう少し詳しく説明すると、自分の土地(要役地:ようえきち)の便益のために、他人の土地(承役地:しょうえきち)を通行する権利、と言えます。
けんばらと道路の整備
道路を整備する際には、まずその土地の「けんばら」を調査し、必要な手続きを行います。例えば、土地の所有者から使用許可を得たり、土地を収用したりすることが必要になります。
また通行地役権や貸借権の場合も登記をしておくことにより、将来的な問題を回避できます。
問題解決事例
問題:接道がなく、建物が売却できない状態であった。
解決法:近接する地主と良好な関係にあったため、道路に持ち分を入れてもらった。
持ち分とは
「持ち分」とは、複数の人が共同で所有している物に対して、各人が持っている権利の割合のことです。道路の場合、複数の土地所有者が共同で道路を所有し、それぞれの土地から道路へのアクセス権を持つ形になります。
道路に持ち分を入れることで建築可能になる理由
対象の土地は建築基準法上の道路に全く接していなかったため、建物を建てることができない状態でした。そこで、隣接する土地の所有者(地主)から、その土地の一部を道路として共有する「持ち分」をもらうことで、対象の土地が建築基準法上の道路に接する状態となりました。
まとめ
「けんばら」は、一見難しそうに聞こえる言葉ですが、道路の整備や維持管理には欠かせない概念です。道路がどのようにして私たちの生活を支えているのか、その一端を理解するためにも、「けんばら」について知っておくと良いでしょう。
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