3周波モデルと2周波モデルの違い
GNSS測量機における周波数とは、GPSやGLONASSなどの衛星から送信される電波の種類のことを指します。
ちなみにGPSはアメリカが運営、GLONASSはロシアが運営している。
- 2周波モデル:
- 主にL1とL2の2つの周波数を受信します。
- 電離層遅延の補正精度が3周波モデルに比べて劣ります。
- 比較的安価で、一般的な測量用途に適しています。
- 3周波モデル:
- L1、L2に加えて、L5などの追加の周波数を受信します。
- 電離層遅延の補正精度が向上し、より高精度な測位が可能です。
- マルチパス誤差の影響を軽減できます。
- 高精度な測量を必要とする場合や、電離層の影響が大きい地域での測量に適している。
昔はL1帯しか公開されていなかった。L2帯は軍事目的のため公開されていなかったが最近ではL2帯も利用可能な信号が送信されるようになった。
主な違い:
- 精度: 3周波モデルの方が高精度な測位が可能です。
- 電離層補正: 3周波モデルの方が電離層遅延の補正精度が高い
- 価格: 3周波モデルの方が高価です。
電離層での影響がGPS観測において大きいのでそれを補正する3周波モデルは制度が良くなる。
世界測地系基準点としての観測要件
世界測地系の基準点として認められるためには、観測機器の性能だけでなく、観測方法やデータ処理も重要な要素となる。
- 観測機器:
- 高精度なGNSS測量機(3周波モデルが推奨)
- 精度の高いアンテナ
- 観測方法:
- 十分な観測時間(数時間以上の連続観測)
- 複数の衛星からの信号を受信
- 適切な観測環境(開けた場所、マルチパスの影響が少ない場所)
- データ処理:
- 精密な軌道暦を用いた解析
- 電離層遅延、対流圏遅延などの誤差補正
- 複数の観測データを用いたネットワーク調整
結局世界測地系の基準点として使うためには、3周波モデルが必要ということ。