「自分の土地の使い勝手を良くするために、敷地を通っている公図上の水路(青地)を付け替えたい!」
そうお考えの方、いらっしゃいませんか?
でも、行政の手続きってなんだか複雑で、どこから手をつけていいか分からないですよね。
そこで今回は、東広島市で公図上の水路を付け替えるための行政手続きについて、これから申請を考えているAさんと、少しだけ詳しいBさんの会話形式で、分かりやすく解説していきます!
登場人物
- Aさん: 自宅の土地にある水路の付け替えを考えている初心者。
- Bさん: 少しだけ手続きに詳しい友人。
Aさん: 「ねぇ、Bさん。うちの土地の真ん中を水路が通っていて、どうにか端に寄せたいんだ。市役所に相談すればいいのかな?」
Bさん: 「あー、公図上の水路(青地)の付け替えだね!それは結構大きなプロジェクトになるよ。東広島市の場合、まず『行政財産処分審査会』っていう、市の偉い人たちが集まる会議で許可をもらう必要があるんだ。」
Aさん: 「審査会!?なんだかすごく大変そう…。」
Bさん: 「大丈夫!手順を一つずつ見ていけば怖くないよ。まずは、最初のステップから始めよう!」
ステップ1:市役所へGO!最初の申請と図面の準備
Bさん: 「まず向かうのは、市役所の土木管理課だよ。」
Aさん: 「土木管理課だね!何を持っていけばいいの?」
Bさん: 「ここで最初の申請をするんだ。『こういう風に水路を付け替えたいです』っていう簡単な図面を自分で作って、『この水路はもう使わないので、公の用途を廃止してください(公用廃止)』っていうお願いと、『新しい水路をこう作らせてください(普通河川保全条令)』っていう2つの申請を出すんだよ。」
Aさん: 「なるほど!この申請が、さっき言ってた審査会にかけてもらうためのチケットみたいなものなんだね。」
Bさん: 「その通り!これが受理されたら、いよいよ審査会での審査が始まるんだ。」
でもその前に水路の両サイドにある土地の境界確定をしておかないといけないからどうしても土地家屋調査士にお願いして正確な境界と面積を出しておく必要があるね。
ステップ2:最大の関門!『行政財産処分審査会』
Aさん: 「審査会って、どれくらい時間がかかるの?」
Bさん: 「ここが一番の長丁場で、審査に4〜5ヶ月くらいかかるんだ。市のいろいろな部署が、付け替えて問題ないか、多角的に審査するからね。」
Aさん: 「ご、5ヶ月!?長いね…。もし、ここでダメだったら…?」
Bさん: 「うん…残念ながら、その計画は一旦終わりになってしまう。だから、すごく重要なステップなんだ。」
ステップ3:審査会クリア!いよいよ工事と土地の交換へ
Bさん: 「そして、無事に審査会で『OK』が出たら、いよいよ具体的な手続きに進むよ!」
Aさん: 「やったー!次は何をすればいいの?」
Bさん: 「まずは、実際の工事の許可をもらうために、もう一度『普通河川保全条令』に基づいて正式な工事の申請をするんだ。許可が下りたら工事開始!そして工事が終わったら、ちゃんと完了したよっていう報告も忘れずにね。」
Aさん: 「工事が終わったら、土地はどうなるの?新しい水路の土地は市に渡して、古くなった水路の土地はもらえるって聞いたけど…。」
Bさん: 「その通り!ここからは、市の財産を管理している**『管財課』が担当になるよ。
まず、君が新しく作った水路部分の土地は、市に『寄付』するんだ。」
Aさん: 「ふむふむ。」
Bさん: 「そして、用途がなくなった古い水路の土地は、君が市から払い下げてもらう。ただ、もらう土地の方が、寄付する土地より面積が場合は、その差額は買い取ることになるんだ。」
Aさん: 「買取金額って、どうやって決まるの?」
Bさん: 「そこは公平に、不動産鑑定士さんがしっかり査定してくれるから安心して。査定費用も市がみるよ。」
ステップ4:最終段階!登記手続きで自分の土地に!
Bさん: 「土地の交換手続きと並行して、古い水路の『公用廃止』の手続きが正式に進められる。これに1ヶ月くらいかかるかな。それが終わると、いよいよ最後の登記手続きだよ!」
Aさん: 「登記…!なんだか難しそう。」
Bさん: 「ここは司法書士さんや土地家屋調査士さんにお願いするのが一般的だから大丈夫だよ。まず、払い下げてもらった土地を登記簿に載せる『表題登記』(1〜2週間)、そして自分のものとして登録する『所有権保存登記』(2〜3日)をするんだ。」
Aさん: 「なるほど!」
Bさん: 「そして、管財課から登記に必要な書類一式を受け取って、法務局で『所有権移転登記』(2〜3日)をすれば、晴れてその土地が君のものになるんだよ!」
Aさん: 「わー!長い道のりだったけど、流れがすごくよく分かったよ!ありがとう、Bさん!」
まとめ:水路付け替え手続きのポイント
いかがでしたか?水路の付け替えは、時間も手間もかかる大きな事業です。
- 最初の窓口は「土木管理課」
- 最大の山場は「行政財産処分審査会」(4〜5ヶ月)
- 土地の交換や売買は「管財課」が担当
- 登記手続きは専門家(司法書士・土地家屋調査士)に相談するのがスムーズ
全体で半年から1年近くかかることもあります。
この記事はあくまで一般的な流れを解説したものです。実際の申請にあたっては、必ず東広島市の担当課にご自身の状況を詳しく説明し、相談しながら進めてくださいね。